カテゴリー: NOVELS

Final Episode: All hope is gone part1

 古の時、その時は世界が魔王の手から逃れてから400年の月日が流れた時である。  人里離れた暗い森の奥。その森は魔物が徘徊すると恐れられる場所であり、特に町と町の間にあるわけでもなく、そんな所には誰も寄り付こうとは思わな…


第三話「Stationery Industry」

 誰かを操ることができたら?  マッキーはそんなことが出来るようになってしまった存在を何人か知っている。  一つはアークスの中心的存在であり強大な権限を与えられた六芒均衡のメンバー。かつてのオラクル船団の危機においてはア…


最終話「The Black Ink Angel」

「ねぇ、スヴァト」  色白なニューマンの少女が、これまた色白なニューマンの少女に話しかける。 「私ね、正直貴方がアークスに成るのは反対なの」  二人の少女がアークスシップ内のビルの屋上で、背中を合わせながら座っていた。天…


第二話「Correction Fluid」

 アークスシップ『ノート』の居住区には多くの人々が暮らしている。  基本的に住宅も一種の船内設備であり、一部の高い権限を持ったアークスを除いてほぼ全ての人々は多層構造の集合住宅で暮らしている。その部屋の構造は大きくても大…


4th Episode: Gehenna part2

 彼女は部屋の隅でうずくまっている。  その部屋は豪勢なものだ。純白の大理石のテーブルは金で縁どられ、その上にはまた金の食器が並べられている。  食器の上には世界中からかき集めてきた色とりどりの高級フルーツが輝き、テーブ…


4th Episode: Gehenna part1

 神はいるのか、いないのか。宗教家達にとってはもちろん「いる」だろう。  ではその証拠が天から落ちてきたら、アブラハムの子達は喜ぶに違いない。  しかし、無垢な彼らは幼児のごとく欲するものを取り合い、いずれはそれを壊して…


3rd Episode: The Heretic Anthem part2

 車窓から覗く流れる景色は銀幕の世界。しんしんと降りつもる雪は大地を覆い、木々は雪だるまになったかのようにメタボリックな体形へと様変わりしていた。  深い森の中を一列の列車が走っている。車体は相当な年期もののようで所々に…


3rd Episode: The Heretic Anthem part1

 人は自らと違うものを恐れ、排除しようとする。  それは人間の歴史の上で幾度となく繰り返されたことで、あらゆる狂気の源である。  ――あなたとは違う。  その一言、それが全てだった。  雪が降っていた。  屋根にしんしん…


2nd Episode: Vermilion

   赤は特別な色である。  興奮を誘う色であり、警戒を促す色であり、採算が合わない時に使う色である。  では朱色はどうだろうか、近い色だが何か特別な意味はあるだろうか。  火の色を表現するときに何色が適切かど…


1st Episode: Pulse of the maggots

 ウジ虫は蠅の幼虫である。  そのグロテスクな姿から多くの人間に嫌悪される。  人殺しを生業とする傭兵はウジ虫と罵られることもあるが、それは人に嫌悪されるという意味で共通点を持つからだ。  しかし彼らにも生きるための心臓…


Prologue: Wellcome to the Hell

 古よりヨーロッパに伝わる伝説がある。  1500年前、世界は恐怖の渦に飲み込まれた。  それは魔界より降臨せし魔王による人間界の支配。  恐ろしい姿をした魔物達が人の肉を貪り食い、女子供が泣いて許しを請うても聞き入れは…


第一話「Pen in the black」

 ※この物語はフィクションです。一部実在の企業名が出ていますが、現代より遠く離れた新光歴での物語であり、現在のそれとは全く関係ありません。なおこの物語はセガのファンタシースターオンライン2の二次創作小説でもあり、関連する…


最終話「文房具たち」

「MONO! 聞こえるか?! わかったら何か反応するんだ!」  MONOの視界から徐々にエラーが消えてゆく。マイク入力のシステムが復旧し、やっと外部の音が拾えるようになった。メインカメラの映像も復旧したので、目の前に眉間…


第三話「消えてゆく余白」

 MONOは定期メンテナンスのために、トンボ鉛筆株式会社アークスシップ営業部の実験施設へ来ていた。彼の体は金属製の専用ベッドに固定され、無数のケーブルが接続され中身のデータが確認されている。すぐ近くのコンソールを操作して…


第二話「すべてを塗りつぶすもの」

 新光歴23X年。文房具メーカーであるトンボ鉛筆株式会社は、オラクル船団と共に宇宙進出を果たした。  しかしあらゆる事務作業が筆記ではなく電子デバイスによる入力になった現代では、文房具は全く売れずに業績は悪化の一途をたど…


第一話「出撃! プラスティックイレイザーMONO!」

 記憶の彼方に残るは、守れなかった少女の瞳。  身を挺して守ろうとしたが、その身もろとも失った。  肉体を失い、守るべき者も失った彼だが、  意志だけを礎に、再び戦場へその身を投じた。    全身を消しゴムにして。   …